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黒崎 譲*; 高柳 敏幸
Journal of Chemical Physics, 110(22), p.10830 - 10842, 1999/06
被引用回数:20 パーセンタイル:53.61(Chemistry, Physical)反応CH+HCH+H(I)及びCD+HCDH+H(II)の反応速度における同位体効果について、変分的遷移状態理論及び準古典的多次元トンネリング法を用いて理論的に考察した。まず、反応IとIIのポテンシャル面を量子化学的手法により計算した。次に、得られたポテンシャル面を用いて、多次元トンネリングを準古典的に考察した変分的遷移状態理論により反応速度定数を求めた。実験的には、5Kの固体パラ水素中で、反応IIの方が反応Iより反応速度が速いことが報告されている。ここでの計算の結果、理論的にも反応IIの方が反応Iよりも5Kで反応速度が速いことが予測され、実験結果を定性的に説明することができた。
黒崎 譲*; 高柳 敏幸
Chemical Physics Letters, 299(1), p.57 - 63, 1999/00
被引用回数:15 パーセンタイル:43.56(Chemistry, Physical)反応CH+HCH+H(I)及びCD+HCDH+H(II)における異常な同位体効果について理論的に考察した。実験的には、固体パラ水素中でCHI(CDI)を光分解し、CH(CD)を生成させて5Kでしばらく放置すると、CHI/p-H系ではCHの生成は確認されなかったがCDI/p-H系ではCDHの生成が確認された。すなわち、反応Iは起こらないが反応IIは起こることが見出された。本理論計算では、この同位体効果を説明するために、反応I,IIの固有反応座標(IRC)を高精度の非経験的分子軌道法により求め、さらにIRCに直交する基準振動の振動数も計算し、反応途中でのゼロ点振動エネルギーの値も見積もった。その結果、従来の意味での同位体効果は予想通りほとんどないが、ゼロ点振動エネルギーを考慮したeffectiveなポテンシャルを比較すると、反応IIの方が反応Iより反応障壁が低く障壁の幅も小さいことが明らかとなった。このことは反応IIの方がトンネル確率が大きいことを意味しており、上の実験結果を良く説明している。
田口 光正; 南波 秀樹; 青木 康; 永井 士郎; 平塚 活士*
Radiation Physics and Chemistry, 49(2), p.253 - 256, 1997/00
被引用回数:3 パーセンタイル:30.37(Chemistry, Physical)トリフェニルメタン類を含む高分子フィルムにイオン注入器からのHeイオンと、Nレーザーからの紫外光を同時照射した。その結果、500から600nmにかけて、振動構造を持つ発光スペクトルが得られ、トリフェニルメチルラジカルの生成が確認された。この発光の強度はイオンのフルエンスを変化させた時には、210ions/cmまでは増すが、それ以上では減少することが分かった。この現象を理解するために簡単なモデルをたて、シミュレーションを行ったところ、イオンのトラック半径を3.5nmとした時に実験結果とよく一致することが分かった。
永井 士郎; 松田 光司; 畑田 元義
J.Phys.Chem., 82(3), p.322 - 325, 1978/03
COとH混合ガスの電子線照射により生成するラジカルを検出することを目的としてスピントラッピングの実験を行った。反応容器として流通型接触反応容器を、ラジカルのトラップ剤としてフェニル-N-t-ブチルニトロンを用いた。COとH混合ガスを電子線照射した後、容器内でトラップ剤と接触させ、生成物をLig.Nトラップで捕集した。生成物のESRスペクトルから、H原子およびメチルラジカルの生成が明らかになったが、同時にトラップ剤の分解も起こることが示された。COとH混合ガスの代わりにHガスを用いた実験、さらにトラップ剤の放射線分解をCOとH混合ガスおよびHeガスの流通下で行った結果、H原子およびメチルラジカルはトラップ剤の分解によっても生成したものであることが明らかになった。この結果は、COとH混合ガスを用いた実験から裏づけることができた。